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軍靴のバルツァー

 最近買った漫画の紹介です。

軍靴のバルツァー 1 (BUNCH COMICS)軍靴のバルツァー 1 (BUNCH COMICS)
(2011/07/08)
中島 三千恒

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 <あらすじ>
 19世紀、欧州。軍事大国ヴァイセン陸軍のエリート、ベルント・バルツァー少佐は突如として隣国バーゼルラントへ軍事顧問として派遣されることとなる。彼の新たな任務は、士官学校の教官として少年達を<戦争屋>に育て上げることだった。しかしバーゼルラントは半世紀に及ぶ平和な時代が続き、軍事技術はまったく時代遅れになってしまっていた。バルツァー少佐は平和に馴れきった王国に内心呆れながらも軍備の近代化を進めようとする。しかし、徐々に生徒達との間に信頼関係が生まれてきた矢先、彼は王国第二王子と対立してしまう。そして王国内部には怪しげな陰謀の気配が・・・。

 舞台は統一前のドイツがモデルになったと思しき<架空の>19世紀ヨーロッパ。バルツァー少佐の祖国ヴァイセンはプロイセンが、バーゼルラントは当時無数に点在したドイツ系諸邦がモデルになっています。架空の世界を構築する場合、実在の国家や歴史がモデルになることさほど珍しいことではありません。例えばナチス・ドイツ→ジオン公国などは分かりやすい例です。しかし日本漫画史上、プロイセンとドイツ統一戦争がモデルになったのは初めての事ではないでしょうか。しかもこの漫画、士官学校が舞台で、電信、鉄道技術や、後装銃の発達、戦列歩兵の密集隊形から散兵戦術への進歩といったドイツ統一戦争における軍事史的要素についてこれでもかとクローズアップし、バルツァー少佐ではなくボルトアクションライフルが主人公といっても過言ではない程になっております。日本のミリオタの間でも普仏戦争あたりは空白地帯なのに、よくもまあこんなマニアックな連載に許可が下りたものだと我が国の漫画文化の奥深さに半ば感心し、半ば呆れた次第です。おそらくこれからビスマルクのような辣腕政治家が登場し、モルトケのような天才作戦家が登場するのでしょう(希望)。是非とも作品内において前線の兵器のみならず、参謀・兵站組織についても触れていただきたいものです。
 とはいえこの漫画、表現としてはあくまで日本の漫画に忠実です。主人公以下登場人物たちは髪型と髪の色でキャラクターを区別する典型的な日本漫画顔ですし、演出も少年漫画のテイストです。この日本の漫画的な突拍子の無さと軍事的なリアリティーをどう両立されるかはおそらく非常に難しい問題でしょう。実際かなり四苦八苦してる様子がみてとれます。また絵も少々荒削りな感じです。しかしそれでもなおこのテーマにあえて挑戦し、やってのけた作者の潜在能力は確かなものでしょう。作者の中島三千恒氏は本作が連載デビュー作だそうですので、これからの進歩におおいに期待が持てます。
 というわけで、この『軍靴のバルツァー』は個人的に大注目作品です。『皇国の守護者』があのような悲劇的な最後を迎えてしまった今、なんとしても作者の思うがままに最後まで描き切っていただきたいとおもいます。(ただ『皇国』もそうだったんですが、どちらも「戦列歩兵に散兵に対抗する」話なんですよね。個人的には戦列歩兵どうしのぶつかり合いが派手で好きなんですけど・・・。)
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