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戦闘図解

 本のご紹介、といっても今回は本屋で購入できるものではありません。

 著 杉本文太郎 校閲 佐藤信亮 博聞館発行 『戦闘図解』
 http://kindai.ndl.go.jp/BIBibDetail.php(左のURLから国会図書館のページに飛べます)

 この本は明治38年の4月、つまり奉天会戦と日本海海戦の間に発行されたもので、当時の日本陸軍の戦闘法についてイラストを交えて解説しています。歩・騎・砲兵の特徴から攻撃・防御・追撃・攻城・行軍・野営について記述されており、当時の戦闘を知る上では実に有意義です。校閲の佐藤信亮氏は陸軍歩兵大尉で説明は具体的、またひらがなで書かれており、漢字にはふりがながついて明治時代の書籍ですが非常に読みやすいです。
 最近『坂の上の雲』がドラマ化され世は空前の日露戦ブーム。あの戦争については今まで多くの書籍が発行されてきました。しかし、そのほとんどは戦争の歴史的意義や国家戦略等の大局的な視野から述べられたものがほとんどで、「戦術」について述べたものはほぼ皆無といってよかったでしょう。
 私は常々「あの戦争が東アジアの黄色人種が西洋列強の侵略をはねのけた輝かしい勝利であると同時に、軍部への過度な信頼と期待を醸成し、いわゆる「軍部の暴走」の土台となってしまったことは分かった。だが歩兵が射撃を開始するとき両隣の兵士とはどれくらい間隔が空いていたんだ?砲兵はどうやって照準したんだ?命令や情報はどうやって伝達したんだ?良きにしろ悪きにしろあの戦争は近代日本最大級の事件だったのに、なぜこんな事もわからないんだ?」と思い続けてきました。そこにこの本が答えてくれたわけです。
 当時の歩兵中隊は3個小隊で構成され、戦闘にあってはまず1個ないし2個小隊が1~2歩の間隔を空けた散兵線を構成し、のこりは100mほど後方に密集隊形を組んでそれを援護する・・・。無論この本でも分からないことはあって(というか分からない事の方がはるかに多いのですが)まだまだ調べたいとはあるのですが、とにかく当時の戦闘法について具体的なイメージをつかむことができました。
 日露戦争は戦車や戦闘機が「登場しない」最後の戦争であり、ナポレオン戦争のように巨大な密集隊形がぶつかり合うでもない、戦闘面ではいわば地味な戦争でした。同じような理由でクリミア戦争や普仏戦争もあまり人気がないようなきがします。しかしやはりこの時期の戦闘・戦術についても同じように光があてられるべきだと思うのです。 
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